「化粧品」は、あくまでも「人体に対する作用が緩和なもの」に限られます。
そこで、薬事法では、化粧品の配合成分に関する規制を設け、
化粧品に入れてはいけない成分や、配合分量に制限がある成分等を定めています。
この化粧品の配合成分に関する規制は、「化粧品基準」に定められており、
その中には「ネガティブリスト」と「ポジティブリスト」の2つのリストが挙げられています。
まず、「ネガティブリスト」とは、<配合禁止成分リスト>のことで、
<防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素以外の成分が対象>の規定です。
具体的には、以下のように定められています。
【対象】防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素以外の成分 |
1 |
医薬品成分は原則として配合禁止。 |
2 |
全ての化粧品について配合を禁止する成分(別表第1)
例)塩化メチレン、過酸化水素、クロロホルム、ジクロロフェン、
ホウ酸、メチルアルコール 等 |
3 |
全ての化粧品について配合量の制限を設定した成分(別表第2)
例)サリチル酸フェニル−100g中の最大配合量は1.0g 等 |
4 |
化粧品の種類又は使用目的により配合の制限を設定した成分(別表第2)
例)エアゾール剤に配合されるジルコニウム−配合不可 等 |
5 |
化粧品の種類により配合の制限を設定した成分(別表第2)
例)粘膜に使用されることがある化粧品に配合される
タイソウエキス−100g中の最大配合量は5.0g 等 |
次に、「ポジティブリスト」とは、<配合可能成分リスト>のことで、
<防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素が対象>の規定です。
具体的には、以下のように定められています。
1 |
化粧品全般について配合量の制限を設定した成分(別表第3、別表第4)
例)フェノール−100g中の最大配合量は0.10g
サルチル酸−100g中の最大配合量は0.20g 等 |
2 |
化粧品の種類によって配合量の制限を設定した成分(別表第3、別表第4)
例)粘膜に使用されることがある化粧品に配合されるクレゾール−配合不可 等 |
3 |
タール色素については、配合可能な種類
※医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令
(昭和41年厚生省令第30号)第3条規定準用 |
詳しくは、こちらの「化粧品基準」をご参照下さい。
この「化粧品基準」は、国内化粧品はもちろん、
海外から輸入する海外化粧品にも適用されます。
日本と海外では薬事上の規制が異なる為、
化粧品に配合が認められている成分にも違いがあります。
日本で海外化粧品を取り扱う場合は、
日本の薬事法が定める禁止成分・配合制限成分が含まれていないかを、
事前にきちんと確認する必要があります。
海外の製造メーカーから成分表(「フォーミュラ」)を入手して確認するのはもちろん、
商品についてもサンプル等を入手し、実際に成分分析を行うことををお勧めします。
|